古期造山帯とは?新期造山帯との違いは?代表的な山脈・見分け方まで解説
古期造山帯という言葉を授業で習ったのに、新期造山帯や安定陸塊と混同して混乱していませんか。
古期造山帯とは、主に古生代に造山運動を受けた地域のことです。長い年月の侵食を受けたため、比較的なだらかな山地が多い一方、必ず標高が低いとは限りません。新期造山帯とは、形成時期や分布のしかたにも違いがあります。
この記事では、古期造山帯の意味から代表的な山脈と分布、新期造山帯との違い、資源との関係、テストでの見分け方まで順に整理します。読み終える頃には、丸暗記ではなく自分の言葉で説明できるようになります。
編集部
塾選ジャーナル編集部
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
目次
古期造山帯とは?簡単にいうと「古生代に造山運動を受けた地域」

古期造山帯とは、簡単にいうと古生代に造山運動を受けた地域のことです。「古期」は「昔」、「造山」は、地球の表面をつくる地殻が大きく変形し、山地などがつくられることを指します。こうした大規模な地殻の変形を「造山運動」といいます。
まずはこの土台となる意味を、山脈名を覚える前に理解しておきましょう。
古期造山帯はいつ・どのようにできた?
古期造山帯は、主に古生代の造山運動と関係する地域です。
流れとしては、まず激しい造山運動が起こり、山地が形成されます。そこから非常に長い時間が経過し、雨や風による侵食・風化を受け続けます。この結果として、現在の古期造山帯の姿ができあがりました。
ここで注意したいのは、「古期」という言葉から「単純に古い山」という意味だと思われやすい点です。しかし古期造山帯は、現在の山そのものの年齢だけを基準に分類した言葉ではありません。
あくまで、その地域がいつごろ造山運動を受けたかをもとにした分け方だという点を押さえておきましょう。
古期造山帯はなぜなだらかな山地が多い?高い山もある?

「なだらか」はあくまで傾向であり、古期造山帯の定義そのものではありません。
古期造山帯には、比較的なだらかな山地が多く見られます。これは、古生代に造山運動を受けてから非常に長い年月が経過し、その間に侵食が進んだためです。つまり「古期造山帯だからなだらか」なのではなく、「時間が経ったから侵食が進み、結果としてなだらかになった」という順番で理解する必要があります。
ただし、古期造山帯に分類される山脈がすべて低くなだらかというわけではありません。たとえば中国西部からキルギスにかけて広がる天山山脈は、古期造山帯に分類されながらも最高峰は7,000mを超えます。天山山脈は、古期造山帯がいったん侵食された後、後の地殻変動によって再び隆起した山脈です。
テストでは「古期造山帯にはなだらかな山地が多い」と覚えて問題ありません。ただし、「古期造山帯なら必ず標高が低い」と短絡的に判断しないよう注意してください。
古期造山帯はどこにある?代表的な山脈を世界地図で確認

古期造山帯がどこにあるのかは、山脈名だけを覚えるより、世界地図上の位置と地域をセットで理解するほうが記憶に残りやすくなります。
ここでは分布の傾向と代表的な山脈を、地図のイメージとあわせて確認していきましょう。
古期造山帯の世界的な分布
古期造山帯は、世界各地に分散して分布しています。現在のプレート境界のうち、プレート同士がぶつかったり、一方がもう一方の下に沈み込んだりする「狭まる境界」におおむね沿って分布する新期造山帯とは、異なる分布のしかたをしています。
「造山帯」という名前から、現在も一本のベルトのようにつながっているイメージを持たれがちですが、実際には北アメリカ東部やヨーロッパ北部、中央アジアなど、世界各地に分かれて分布しています。
古期造山帯の代表的な山脈一覧

次の表は、古期造山帯の代表例として挙げられる山脈を、地域と覚えるポイントとともに整理したものです。
| 山脈名 | 地域 | 覚えるポイント |
|---|---|---|
| アパラチア山脈 | アメリカ東部 | 古期造山帯の代表例として押さえたい |
| ウラル山脈 | ロシア中部(ヨーロッパとアジアの境界) | ヨーロッパとアジアの地理的な境界として知られる |
| スカンディナヴィア山脈 | ノルウェー・スウェーデン | 北欧に分布する古期造山帯 |
| グレートディヴァイディング山脈 | オーストラリア東部 | 大陸東岸沿いに広がる古期造山帯 |
| ドラケンスバーグ山脈 | 南アフリカ東部 | アフリカ大陸南部の代表例 |
| 天山山脈 | 中国西部〜中央アジア | 古期造山帯でも標高が高い山脈の例 |
この表からわかるとおり、古期造山帯の山脈は北アメリカ・ヨーロッパ・アフリカ・オセアニア・アジアなど、複数の大陸に分散しています。
山脈名だけを丸暗記するのではなく、「どの大陸のどのあたりにあるか」を地図とセットで確認すると、記憶に残りやすくなります。
古期造山帯・新期造山帯・安定陸塊の違いは?

ここまでで、古期造山帯単体の特徴は理解できました。ここからは、テストで頻出する新期造山帯・安定陸塊との違いを整理し、実際の問題でどう見分けるかまで確認していきます。
古期造山帯・新期造山帯・安定陸塊を比較
学校地理では、大まかに「安定陸塊は先カンブリア時代の古い大陸地殻を基盤とし、古期造山帯は古生代、新期造山帯は中生代以降の造山運動と関係する」と整理すると理解しやすくなります。
次の表では、古期造山帯・新期造山帯・安定陸塊を、地質年代や現在のプレート境界との関係、地形の傾向から比較します。
| 区分 | 地質年代の目安 | 現在のプレート境界との関係 | 地形の傾向 |
|---|---|---|---|
| 新期造山帯 | 中生代以降 | 主に現在のプレートの狭まる境界付近 | 高く険しい山脈が多い |
| 古期造山帯 | 古生代 | 現在の狭まる境界とは一致しないことが多い | なだらかな山地が多いが例外あり |
| 安定陸塊 | 先カンブリア時代に形成された大陸地殻 | 大陸内部に広く分布 | 比較的起伏の小さい地域が多い |
この表から読み取れるのは、3つの区分が地質年代や現在のプレート境界との関係によって分かれているという点です。地形の傾向にも違いは見られますが、これはあくまで結果として現れる特徴であり、区分そのものの基準ではありません。
新期造山帯は高く険しい山脈が多い一方、「新期なら必ず高い」「古期なら必ず低い」と言い切れるものではありません。
安定陸塊は、先カンブリア時代に形成された古い大陸地殻を基盤とし、その後長期間にわたって大きな造山運動を受けていない地域です。比較的起伏の小さい地形が広く見られますが、地形そのものが区分の基準ではありません。
古期造山帯と新期造山帯をテストで見分ける3つのポイント

山の高さだけで、古期造山帯と新期造山帯を判断してはいけません。
比較表を覚えるだけでなく、実際の問題を解くときにどの順番で確認すればよいかを知っておくと、判断の精度が上がります。おすすめの確認順は次の3つです。
まず①として、山脈名そのものを確認します。アパラチア山脈やウラル山脈のように、代表例として覚えている山脈名かどうかをチェックしましょう。
次に②として、世界地図上の位置や分布のしかたを見ます。新期造山帯は、こうした現在のプレート境界付近、特に「狭まる境界」の近くに多く見られます。そこから離れた場所に分布していれば、古期造山帯である可能性が高くなります。
最後に③として、地形の特徴を補助的に確認します。高く険しいか、低くなだらかかという情報は、あくまで判断材料の一つとして使うのが安全です。
この順番で確認すれば、天山山脈のような例外に出会っても、高さだけで誤って新期造山帯と判断してしまうことを防げます。
古期造山帯には石炭が多い?資源との関係

古期造山帯と石炭を結びつけて覚えている人は多いはずです。ただしこの関係は、誤解が生まれやすい部分でもあります。ここでは、学校でよく使われる覚え方と、より正確な理解のしかたを順に整理します。
「古期造山帯=石炭」と覚えてよい?

石炭ができる仕組みと、古期造山帯ができる仕組みは別です。そのため、「古期造山帯だから石炭ができた」と考えるのは正確ではありません。
学校地理では、古期造山帯と石炭を関連づけて学ぶ場面があります。アパラチア山脈周辺など、古期造山帯と炭田が重なる地域もあります。石炭は、地質時代に繁栄した植物の遺骸などが堆積し、長い年月をかけて変化して形成されたものです。石炭のもとになる地層は、古生代に形成されたものも多くあります。
ただし、「どちらも古生代と関係するから、古期造山帯に石炭ができた」という意味ではありません。炭田の分布と古期造山帯が一対一で対応しているわけではありません。
テストでは「古期造山帯と石炭を関連づけて覚える場面がある」ことを押さえつつ、「古期造山帯なら必ず石炭が産出する」とは考えないようにしましょう。
参考:「炭田や油田の分布」と「造山帯の分布」の関連について|山川出版社(地理・地図帳)
新期造山帯の資源も一対一で覚えない
教材によっては、新期造山帯と石油などの資源を関連づけて説明することがあります。ただし、地下資源の分布と造山帯の区分を単純に一対一で対応させることはできません。資源ができる仕組みと、造山運動によって山地ができる仕組みは、分けて考える必要があります。
古期造山帯・新期造山帯のいずれについても、造山帯そのものが直接資源を生み出しているわけではありません。
テスト対策として関連づけて整理することと、実際にどこまで結びついているかは、分けて考える姿勢を持っておきましょう。
古期造山帯を理解できたか確認しよう

ここまでの内容を、新しい知識を増やさずに整理し直します。テスト直前に見直せるよう、要点を短くまとめました。
テスト前に確認したいポイント
古期造山帯とは、主に古生代に造山運動を受けた地域のことです。長い年月の侵食によってなだらかな山地が多い一方、天山山脈のような例外もあります。
新期造山帯とは、地質年代とプレート境界との関係で見分け、高さだけで判断しないことが重要です。石炭との関係も、必ずしもの因果関係ではないと理解しておきましょう。
古期造山帯の確認問題
問1
アパラチア山脈は、古期造山帯・新期造山帯のどちらに分類されますか。
解答:古期造山帯です。古生代の造山運動を受けた地域であり、現在のプレート境界からも離れています。
問2
古期造山帯はすべて標高が低い。○か×か。
解答:×です。天山山脈のように、後の地殻変動によって標高が高くなった古期造山帯も存在します。
問3
古期造山帯と新期造山帯を見分けるとき、標高だけで判断してよいですか。
解答:いいえ。山脈名や分布、現在のプレート境界との関係もあわせて確認する必要があります。
問4
「古期造山帯だから石炭ができた」と説明してよいですか。
解答:正確ではありません。造山運動と石炭ができる仕組みは別であり、関連づけて覚える場面があるだけです。
問5
古期造山帯で造山運動が活発だった時代として適切なのはどれですか。
(先カンブリア時代/古生代/中生代以降)
解答:古生代です。古期造山帯は古生代に造山運動が活発だった地域です。一方、新期造山帯は中生代以降の造山運動と関係しています。
古期造山帯についてよくある質問

古期造山帯は日本にもある?
日本列島は、学校地理で古期造山帯の代表例として覚える地域ではありません。現在のプレート境界付近にあり、地震や火山活動などの地殻変動が活発な変動帯に位置します。
従来の教材では「環太平洋造山帯」の一部として説明されることもありましたが、近年の中学校教科書では「変動帯」を中心に扱うものもあります。
古期造山帯と新期造山帯はどちらが古い?
古期造山帯のほうが古い時代の造山運動と関係しています。新期造山帯は、中生代から新生代にかけてのより新しい造山運動と関係する地域です。
ただし、「古期造山帯=現在の山そのものが古い」という意味ではない点には注意してください。あくまで「造山運動を受けた時期」が古いか新しいかで区分されています。
最近は「造山帯」ではなく「変動帯」と習うの?
近年の中学校教科書では、「造山帯」より「変動帯」を中心に説明するものもあります。ただし、これは「造山帯」という名称が「変動帯」に変更されたということではありません。
変動帯は、プレート境界付近に広がる、地震や火山活動などの地殻変動が活発な地域を示す言葉です。
一方、造山帯は「現在活発かどうか」ではなく、過去を含めて造山運動を受けた地域を見る言葉です。
高校向け教材では「変動帯」と「造山帯」を使い分けている出版社もあります。学校のテストでは、自分が使っている教科書や授業で扱われている用語に合わせて覚えるようにしましょう。
まとめ 古期造山帯は「古い・なだらか」だけで覚えない

古期造山帯とは、主に古生代に造山運動を受けた地域のことです。長い年月の侵食によって、なだらかな山地が多いという傾向がありますが、古期造山帯だからといって必ず標高が低いわけではありません。
アパラチア山脈やウラル山脈などの代表例は、世界地図上の位置とセットで覚えておくと記憶に残りやすくなります。
新期造山帯とは、地質年代や現在のプレート境界との関係によって見分けることができ、山の高さだけで判断しないことが大切です。石炭との関係についても、「古期造山帯=石炭」という単純な因果関係ではないことを理解しておきましょう。
「古期だから低い」と丸暗記するのではなく、形成された時期や分布、代表的な山脈までセットで理解しておくと、新期造山帯との違いも見分けやすくなります。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
注目の塾
PR