専門学校の学費、結局いくら準備する?2年・3年の目安と支払い時期を解説
お子さんから「専門学校に進学したい」と言われたものの、学費がいくらかかるのか分からず不安に感じていませんか。パンフレットには授業料や実習費など複数の項目が並び、結局いくら準備すればよいのか把握しづらいものです。
専門学校の学費は、東京都内の私立専門学校(昼間部)の調査では、初年度納付金の平均が約131.8万円です。ただし、学校や分野によって差があり、2年目以降の学費や教材費・実習関連費などが別途かかる場合もあります。
この記事では、初年度の目安から2年間・3年間でかかる学費の考え方、授業料以外にかかる費用、支払い時期、そして無償化・奨学金といった負担軽減策まで、順を追って解説します。
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目次
専門学校の学費はいくら?初年度・2年間・3年間の目安

専門学校の学費を考えるときは、初年度納付金だけでなく、卒業までの総額を見ることが重要です。ここではまず、初年度の目安と、修業年数ごとの卒業までの総額を確認していきます。
専門学校の初年度納付金は平均いくら?
専門学校の初年度納付金は、公開されている調査では約131.8万円が一つの目安です。東京都専修学校各種学校協会の調査によると、令和7年度における私立専門学校(昼間部)の初年度納入金の総平均は約131.8万円でした。
参考:調査2 令和7年度 学生・生徒納付金調査|公益社団法人東京都専修学校各種学校協会
ただし、この金額は東京都内の私立専門学校(昼間部)を対象とした調査結果であり、全国のすべての専門学校に当てはまる金額ではありません。地域や学校、分野によって金額は変わるため、あくまで目安として捉えてください。
初年度納付金とは、一般的に入学金・授業料・施設設備費・実習費などを合わせた金額を指します。それぞれの費用の内容については、次の見出しで詳しく説明します。
2年間・3年間では卒業までにいくらかかる?
専門学校は2年制が多いものの、3年制・4年制の学校もあります。卒業までの学費を考えるときは、「1年目+2年目+(必要なら3年目)」という積み上げで捉えることが大切です。
ここで注意したいのは、2年目以降は入学金が不要になることが多いため、初年度の金額をそのまま年数分掛け算しても正確な総額にはならないという点です。東京都専修学校各種学校協会の令和7年度調査では、私立専門学校(昼間部)の初年度納付金の総平均は約131.8万円で、そのうち入学金は約18.3万円でした。
参考:調査2 令和7年度 学生・生徒納付金調査|公益社団法人東京都専修学校各種学校協会
この初年度納付金から入学金を除いた金額が2年目以降も同程度かかると仮定して試算すると、卒業までの総額は次のようになります。
| 修業年数 | 卒業までの学費の目安(参考試算) | 注意点 |
|---|---|---|
| 1年制 | 約131.8万円 | 入学金・授業料・実習費などが1年間に集中する |
| 2年制 | 約245.3万円 | 2年目は入学金が不要な学校が多い |
| 3年制 | 約358.8万円 | 医療系など実習が多い分野は年ごとの実習費に注意 |
この試算は、公式に公表された「2年間・3年間の平均」ではなく、令和7年度の初年度納付金平均から入学金分を除いて機械的に積み上げた参考値である点にご注意ください。
実習費や教材費は学年によって変動することがあるため、実際の総額は志望校の募集要項で確認する必要があります。
大学と比べると専門学校の学費は高い?安い?
東京都内の私立専門学校では初年度納付金の平均が約131.8万円なのに対し、私立大学の初年度学生納付金等の平均は文部科学省の令和7年度調査で約150.8万円となっています。国立大学は授業料・入学料の標準額を合計すると約81.8万円です。
国立大学・私立大学・専門学校の初年度納付金の目安は次のとおりです。
| 学校種 | 初年度納付金の目安 | 修業年数の目安 |
|---|---|---|
| 国立大学 | 約81.8万円 | 4年 |
| 私立大学 | 約150.8万円 | 4年 |
| 専門学校(私立・東京都) | 約131.8万円 | 1〜4年など |
参考:私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について|文部科学省(国立大学の標準額については、国公私立大学の授業料等の推移|文部科学省を参考にしています)
「専門学校のほうが安い」と一律に判断することはできません。専門学校・大学ともに分野による差が大きく、修業年数も異なるため、初年度だけでなく卒業までの総額で比較する視点が欠かせません。
学校種だけで高い・安いを判断するのではなく、卒業までにかかる総額で考えることをおすすめします。
専門学校の学費の内訳は?授業料以外にかかる費用も確認

パンフレットに記載された学費が、進学に必要なお金のすべてとは限りません。ここでは、学校へ納める費用と、別途必要になる可能性がある費用を分けて整理します。
専門学校に納める主な費用
専門学校の学費を構成する代表的な項目は、次のとおりです。
- 入学金:入学時にのみ支払うことが多い費用
- 授業料:授業を受けるための基本的な費用
- 施設設備費:校舎や実習設備などの利用にかかる費用
- 実習費:実習中心の分野で必要になる費用
- その他の学校納付金:学校によって名称や内容が異なる費用
これらを合計した金額が「初年度納付金」として公表されているケースが一般的です。 何にお金を払っているのかを理解しておくと、志望校の学費ページを見たときに内容を把握しやすくなります。
教材費・パソコン・資格試験などが別途かかる場合もある
専門学校では、学校や分野によって、教科書代、教材費、パソコンやタブレットの購入費、実習着、専門器具、材料費、資格・検定の受験料、国家試験対策費、実習先までの交通費などが別途必要になることがあります。
大切なのは、個々の金額を細かく把握することよりも、「初年度納付金に含まれているのか、別途必要なのかを必ず確認する」という判断軸を持つことです。
A校の学費が安く見えても、教材費や実習費が別途であれば、実際の負担額はB校と大きく変わらない場合もあります。志望校を比較する際は、この点を意識しておくとよいでしょう。
一人暮らしなら生活費も含めて考える
自宅を離れて一人暮らしをする場合は、家賃、食費、水道光熱費、通学費、引っ越しや家具家電の初期費用なども発生します。日本学生支援機構の令和6年度調査では、下宿・アパート等で暮らす専門学校生の生活費は年間約126万5,000円で、月平均にすると約10万5,000円です。
学校へ支払う学費と、進学にともなって必要になる総費用は別のものです。一人暮らしを検討している場合は、生活費を別枠で見積もる資金計画を立てましょう。
専門学校の学費は分野によって違う|看護・美容・ITなどの目安

専門学校全体の平均額だけを見ても、お子さんの志望分野の費用は分かりません。専門学校は実習内容や設備によって費用差が出やすいため、志望分野の相場も併せて確認する必要があります。
分野別の学費相場を比較
分野ごとの初年度納付金の目安は、以下のとおりです(東京都内の私立専門学校・昼間部・令和7年度調査を参考にした目安)。
| 分野 | 初年度納付金の目安 |
|---|---|
| 看護 | 約118.6万円 |
| 理学療法・作業療法 | 約179.5万円 |
| 歯科技工・歯科衛生 | 約118.5万円 |
| 理容・美容 | 約137.2万円 |
| 情報処理・IT | 約128.8万円 |
| 自動車整備 | 約132.9万円 |
| 美術・デザイン・写真 | 約120.7万円 |
| 音楽・演劇・映画・放送 | 約141.6万円 |
| 動物 | 約136.6万円 |
| アニメ・声優・ゲーム | 約134.5万円 |
この表からは、同じ医療系のなかでも学科によって差が大きいことが読み取れます。たとえば看護は約118.6万円で全体平均の約131.8万円をやや下回りますが、理学療法・作業療法は約179.5万円です。
分野の大枠だけでなく、学科ごとの実習内容によって金額が変わることを意識しておきましょう。あくまで一つの目安として、志望する分野に近い数字を参考にしてください。
実習・設備が多い分野ほど費用が高くなる場合がある
分野による費用差の背景には、実習や設備の内容が関係しています。たとえば、看護・医療系は臨地実習や実習設備、美容系は実習用教材や器具、調理・製菓系は食材や調理設備、IT系はパソコンやソフトウェア、自動車整備系は大型の実習機材などが必要になります。
ただし、「看護は必ず高い」「ITは必ず安い」といった断定はできません。設備・実習・教材の内容によって学費が変わりやすい、という構造を理解しておくことが大切です。
志望校を検討する際は、募集要項で実習内容や設備を確認するとよいでしょう。
専門学校の学費はいつ払う?入学前から卒業までの支払い時期

学費は、総額が払えるかどうかだけでなく、いつお金が必要になるかを確認しておくことも欠かせません。ここでは、合格から卒業までの一般的な支払いの流れを整理します。
最初の学費は合格後〜入学前に支払うことが多い
一般的な流れは、合格→入学手続き→入学金等の納付→授業料等の納付→入学、という順序です。多くの学校では、実際の入学より前にまとまった支払いが必要になります。
ただし、納付時期や金額は学校・入試方式によって異なるため、「必ず何月に払う」と一律に決まっているわけではありません。志望校の募集要項で、具体的な納付スケジュールを確認しましょう。
授業料は一括・前期後期など学校によって異なる
学費の納め方には、年額一括、前期・後期の2回払い、月ごとの分納など、いくつかのパターンがあります。年間の学費が○万円だからといって、一度にその全額を支払うとは限りません。
一方で、分納ができるかどうかは学校によって異なります。家計の準備計画に関わる部分なので、募集要項や学校への問い合わせで確認しておくと安心です。
2年目以降の学費はいつ払う?
2年目以降も、授業料や施設設備費などの支払いは続きます。支払い時期や方法は学校によって異なり、前期・後期など年に複数回に分けて納付する学校もあります。
初年度のみ必要な入学金がなくなる一方で、実習内容によっては2年目以降に新たな実習費や教材費が発生する場合もあります。1年目の金額だけで安心せず、2年目以降の見込みも確認しておきましょう。
志望校の学費を比較するときに確認したいポイント
複数の学校を比較する際は、初年度納付金、2年目以降の学費、教材費・実習費が含まれるか、パソコンや専門器具の購入有無、資格受験料、納付期限、分納・延納の可否、利用できる支援制度などを、同じ条件でそろえて比較することが重要です。
「A校は120万円、B校は130万円だからA校のほうが安い」と数字だけで判断するのではなく、何が金額に含まれているかまで確認しましょう。ここまでの情報を踏まえたうえで、実際に志望校の募集要項を確認してみてください。
専門学校の学費負担を抑える方法|無償化・奨学金・免除制度

学費が高いと感じても、まず利用できる公的支援や学校独自の制度がないか確認することをおすすめします。ただし、制度の利用条件や支援額は世帯の状況によって異なるため、「誰でも使える」わけではない点に注意が必要です。
専門学校も高等教育の修学支援新制度の対象になる
高等教育の修学支援新制度は、大学・短期大学・専門学校などで学ぶ学生を対象に、授業料・入学金の減免や給付型奨学金によって進学を支援する制度です。制度には、「授業料・入学金の減免」と「給付型奨学金」の2つがあります。ただし、利用できる支援内容は世帯収入や多子世帯に該当するかなどによって異なります。
文部科学省によると、本制度は令和2年4月に開始し、令和6年度には多子世帯などへ支援対象を拡大、令和7年度からは多子世帯の学生について所得制限なく授業料・入学金が一定額まで減免対象となりました。
ただし、すべての専門学校が対象になるわけではなく、国等が要件を確認した「対象校」に通う場合に限られます。 志望校が対象校かどうかは、事前に確認しておきましょう。
多子世帯の専門学校無償化はどうなる?
令和7年度からは、扶養する子どもが3人以上いる多子世帯について、所得制限なく授業料・入学金が一定額まで減免される仕組みが始まりました。
私立専門学校に通う多子世帯の学生の場合、授業料等減免の上限額(年額)は以下のとおりです。
| 項目 | 上限額(年額) |
|---|---|
| 入学金 | 約16万円 |
| 授業料 | 約59万円 |
ここで注意したいのは、「無償化」=専門学校にかかるすべてのお金が0円になるわけではない、という点です。 授業料・入学金の減免には上限額が設定されており、教材費、実習関連費、資格試験費、生活費などは別途必要になる場合があります。「無償化だから学費の準備は不要」と考えず、対象範囲を確認したうえで資金計画を立てましょう。
奨学金を利用する
学費の支援方法として広く利用されているのが奨学金制度です。代表的なのは日本学生支援機構(JASSO)による奨学金で、返済不要の給付型と、返済が必要な貸与型(無利子の第一種・利子付きの第二種)があります。
参考:奨学金を希望するみなさんへ(予約採用)|日本学生支援機構
日本学生支援機構の奨学金の種類と特徴は次のとおりです。
| 種類 | 返済 | 特徴 |
|---|---|---|
| 給付型 | 不要 | 家計や学業などの要件がある |
| 貸与型(第一種) | 必要(無利子) | 学力・家計などの基準がある |
| 貸与型(第二種) | 必要(利子付き) | 学力・家計などの基準があり、卒業後に利子を含めて返済する |
貸与型は「借りられるから安心」ではなく、卒業後に返済義務が生じる点を理解しておく必要があります。 給付型の対象にならない場合でも、貸与型や後述する学校独自の制度を組み合わせる方法があります。
学校独自の特待生・学費免除制度も確認する
専門学校によっては、特待生制度、入学金免除、授業料減免、資格取得者向けの減免、学校独自の奨学金などを用意している場合があります。
「成績が良ければ必ず免除される」といった一律の条件ではなく、制度の内容や対象条件は学校ごとに異なります。 志望校の募集要項や学費ページで、利用できる制度がないか確認してみましょう。
入学前のお金が足りない場合は分納・教育ローンも検討する
入学手続きの時期にまとまったお金が足りない場合、いきなり教育ローンを検討するのではなく、まず学校の減免制度、給付型の支援、学校独自の制度、分納・延納の可否を確認し、そのうえで必要に応じて貸与型奨学金や教育ローンを検討する、という順序で考えることをおすすめします。
教育ローンの選択肢としては、日本政策金融公庫が扱う「国の教育ローン」があり、お子さん1人につき350万円以内(一定の要件を満たす場合は450万円以内)を融資する仕組みです。利用には世帯年収などの条件や審査があります。
JASSOの奨学金は、予約採用で採用候補者になっていても、実際の振込は進学後です。 そのため、入学手続き時に必要なお金に間に合うかどうかは、あらかじめ確認しておく必要があります。
このズレを見落とすと、支援制度があるにもかかわらず入学手続き時の支払いに困る可能性があるため注意しましょう。
専門学校の学費に関するよくある質問

専門学校の学費は親が払うものですか?
「親が全額を負担するのが当たり前」とは一概には言えません。保護者の負担に加えて、奨学金、学生本人の貯蓄やアルバイト、各種支援制度などを組み合わせる家庭もあります。
入学直前になって慌てないよう、早い段階で家庭内で費用負担について話し合っておくことが大切です。
社会人でも専門学校の無償化制度を利用できますか?
社会人経験があるから一律に対象外になるわけではありません。ただし、修学支援新制度には高校卒業後から進学までの期間などに関する要件があるため、社会人になってから専門学校へ進学する場合は対象になるか個別に確認が必要です。
社会人から専門学校への進学を検討している場合は、文部科学省やJASSOの公式サイトで、自分が対象となるか最新の条件を確認しましょう。
ひとり親・母子家庭が利用できる学費支援制度はありますか?
「ひとり親家庭なら学費が免除される」と一律に決まっているわけではありません。高等教育の修学支援新制度や奨学金、自治体独自の支援制度など、要件を満たせば利用できる可能性がある制度は複数あります。
対象条件は制度ごとに異なるため、公式情報やお住まいの自治体の窓口に確認することをおすすめします。
まとめ 専門学校の学費は「卒業までにいつ・いくら必要か」で考えよう

専門学校の学費は、初年度の平均額だけでは判断できません。初年度の納付額を確認し、卒業までの総額を見て、授業料以外にかかる費用を洗い出し、支払い時期を把握したうえで、無償化や奨学金などの支援制度を確認する、という順番で考えることが大切です。
お子さんの志望校がある程度決まったら、平均額だけで判断せず、募集要項で「卒業までの学費」「別途費用」「納付期限」「利用できる支援制度」を確認してみてください。
それが、わが家に必要な進学費用を見積もるための、いちばん確実な次の一歩になります。
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
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