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定員割れとは?全員合格とは限らない理由と高校・大学の違いを解説

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「定員割れってどういう意味?」「定員割れなら全員合格できるの?」と気になっていませんか。定員割れとは、募集定員より志願者数が少ない状態などを指す言葉です。

定員割れした高校は、倍率が1.0倍を超える一般的な入試と比べて、合格できる可能性が高い状況といえます。実際に神奈川県の2026年度入試では、定員に満たなかった全日制普通科の高校20校で、受検後に辞退した人を除き全員が合格しています。

この記事では、前半で高校受験、後半で大学受験について、定員割れの意味と合格の可能性、確認すべきポイントを解説します。

塾選ジャーナル編集部

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目次

定員割れとは?意味と倍率の見方を解説

定員割れとは?意味と倍率の見方を解説

定員割れかどうかは、募集定員と志願者数を比べた「出願倍率」で判断します。ここでは高校入試を例に、計算方法を確認しましょう。

定員100人に志願者80人なら定員割れ

「募集定員」とは、学校や学科、コースが受け入れる予定の人数のことです。「志願者数」は、その学校や選抜区分に出願した人の数を指します。

この2つを比べるのが「出願倍率」で、次の式で計算します。

出願倍率=志願者数÷募集定員

たとえば、募集定員100人の高校に80人が志願したとしましょう。80÷100=0.8倍となり、志願者が定員を20人下回っています。

出願倍率が1.0倍未満の状態が、出願段階の定員割れです。

なお、1.0倍ちょうどは、募集定員と志願者数が同じ状態を表します。定員を下回っていないため、定員割れにはあたりません。ただし、公表資料では倍率が四捨五入されている場合もあるため、定員割れかどうかは募集定員と志願者数もあわせて確認しましょう。

定員割れなら実質倍率はほぼ1.0倍になる

出願倍率が1.0倍未満のときは、実質倍率もほぼ1.0倍になるのが一般的です。実質倍率とは、受験者数を合格者数で割った倍率のことです。

先ほどの例で、志願者80人のうち78人が受験したとしましょう。受験した78人全員が合格すれば、実質倍率は78÷78=1.00倍となります。

実質倍率1.0倍とは、受験した人が全員合格したということです。

受験者数が定員を上回る入試では、受験者の一部が必ず不合格になります。定員割れの入試は、こうした「誰かが必ず落ちる」競争がない状態です。

ただし、選抜の結果で不合格者が出た場合は、実質倍率が1.0倍をわずかに上回ります。

志願倍率・受験倍率・実質倍率それぞれの詳しい計算方法は、倍率の解説記事を参考にしてください。

【高校受験】定員割れした高校の合格率は高い?受かる確率と合否の実態

【高校受験】定員割れした高校の合格率は高い?受かる確率と合否の実態

定員割れした高校は、通常の入試と比べて合格できる可能性が大きく高まります。ここでは、実際の公表データをもとに、どれくらい受かりやすいのかを見ていきましょう。

定員割れの場合は原則として合格する可能性が通常より高い

定員割れした公立高校では、受験した人の大半、多くの場合はほぼ全員が合格しています。神奈川県の2026年度入試の結果で確かめてみましょう。

神奈川県が公表した各学校別の合格状況をもとに、全日制普通科の合格率を比べると次のとおりです。

区分 受検者数 受検後の取消者数 合格者数 合格率
定員に満たなかった県立高校20校 4,252人 16人 4,236人 100%
全日制普通科全体 31,228人 219人 26,403人 約85%

※神奈川県「別紙4」をもとに編集部で集計。全日制普通科(クリエイティブスクールを除く)が対象です。合格率は「合格者数÷(受検者数-受検後の取消者数)」で算出しています。「定員に満たなかった学校」は、合格発表後に欠員が出た学校を指します。

普通科全体では、受検した人の約15%、およそ7人に1人が不合格になっています。一方、定員に満たなかった20校では、受検後に志願を取り消した人を除き、全員が合格していました。

定員割れした高校は、倍率が1.0倍を超える高校と比べて、合格の可能性が圧倒的に高いといえます。

ただし、これは神奈川県の1年分のデータです。定員内不合格の扱いは自治体によって異なるため、ほかの地域でも同じ結果になるとは限りません。

参考:令和8年度神奈川県公立高等学校入学者選抜一般募集共通選抜等の合格者数及び二次募集について|神奈川県

参考:別紙4 令和8年度神奈川県公立高等学校入学者選抜一般募集共通選抜等合格状況|神奈川県

定員内でも不合格者が出る理由と基準

「ほぼ受かる」とはいえ、合格が100%保証されているわけではありません。定員内なのに不合格になることを「定員内不合格」と呼びます。

高校の入学は、選抜の結果をもとに校長が許可するものです。そのため、学ぶための能力や適性などが認められないと判断されれば、定員に空きがあっても不合格になる場合があります。

たとえば、学力検査の答案がほぼ白紙だった場合や、面接を受けなかった場合などは、判断の材料がそろわず不合格につながる可能性があります。ただし、すべての高校に共通する合格最低点があるわけではなく、定員内不合格を出さない運用をしている自治体もあるのが実情です。

文部科学省は2026年6月30日付の通知で、定員内不合格そのものは直ちに否定されるものではないという立場です。一方で、不合格を出す場合は、その理由を受検生に丁寧に説明することが適切だとしています。あわせて各教育委員会には、定員内不合格を出さない他地域の例も参照するよう求めています。

どのような場合を不合格とするかは自治体ごとに異なるため、志望校の地域の入試資料で確認しておくと安心です。

参考:高等学校入学者選抜等における配慮事項等について(通知)|文部科学省

公立高校と私立高校における選抜方針と合格判定の違い

公立高校では、都道府県の教育委員会などが定めた制度にしたがって合否が決まります。定員割れした場合の扱いも、自治体の方針次第です。前の項で紹介したように、定員内不合格をほとんど出さない地域もあります。

私立高校では、入試方式や出願条件、合否の判断方法を学校ごとに決めています。推薦入試や一般入試のほか、地域によっては併願優遇などの制度を設けている学校もあります。私立高校には「定員割れなら全員合格」という共通のルールはないため、学校ごとの方針を確かめることが大切です。

公立高校は自治体の方針、私立高校は学校の方針によって合格判定が決まる点を押さえておきましょう。

【高校受験】定員割れした高校を受験するときの注意点

【高校受験】定員割れした高校を受験するときの注意点

志望校が定員割れしているかどうかは、自分で調べられます。ここでは、具体的な確認方法と、チャンスを生かすための準備を紹介します。

志望校の出願倍率と志願状況を確認する

公立高校の志願状況は、都道府県教育委員会の公式サイトで公表されるのが一般的です。次の流れで調べてみましょう。

  • 都道府県教育委員会の公式サイトを開く
  • 「志願者数」「志願状況」などの資料を探す
  • 志望校の学科・コース・選抜区分を確認する
  • 募集定員と志願者数を比べ、出願倍率を見る
  • 志願変更ができる地域では、締切後の最終的な志願状況も確認する

具体例として、神奈川県の資料で確認方法を紹介しましょう。神奈川県の「志願者数(志願変更締切時)」の公表ページには、各学校別の志願状況をまとめた「別紙3」があります。

別紙3には、学校ごとに「募集定員(A)」「2月9日の志願者数(C)」「競争率(C/A)」が載っています。志望校の該当する学科・コースを探し、競争率を確認しましょう。1.0倍未満なら、出願段階で定員割れしていることがわかります。

あわせて「1月30日の志願者数(B)」と比べると、志願変更で志願者がどれだけ増減したかも読み取れます。

※2026年度入試の公表資料を例にしています。実際に受験する年度の最新資料を確認してください。

注意したいのは、同じ高校でも学科やコースによって倍率が大きく違う場合がある点です。また、資料の名前や公表の時期は都道府県ごとに異なるため、神奈川県の例は確認方法の一つと考えてください。

倍率は学科・コースごとに、志願変更後の最終的な数字まで確かめるのが基本です。

私立高校を志望する場合は、学校の公式サイトや募集要項で、入試方式ごとの募集人数を調べておくと安心です。

参考:令和8年度神奈川県公立高等学校入学者選抜一般募集共通選抜等の志願者数(志願変更締切時)について|神奈川県

参考:別紙3 令和8年度神奈川県公立高等学校入学者選抜一般募集共通選抜等志願変更締切時志願状況|神奈川県

過去の倍率だけで合格を判断しない

前年度に定員割れしていた高校でも、今年度は志願者が増え、倍率が1.0倍を超えることがあります。たとえば、前年0.8倍だった高校が、今年は1.2倍になるケースも考えられます(数字は架空の例です)。募集定員が減った場合も、志願者数が同じなら倍率は上がります。

過去の入試結果を見る際は、募集定員と志願者数に加え、受験者数・合格者数も確認するとよいでしょう。

同じ年度・選抜区分の4つの数字を比べれば、出願段階で定員割れしていたか、実際に不合格者が出たかを調べられます。

定員割れでも受験対策を続ける

定員割れは大きなチャンスですが、当日の検査を受けて合否が決まる点は変わりません。準備を整えておけば、その可能性をより確実なものにできます。次の点を確認しておくと、対策の方向性がはっきりするでしょう。

  • 学力検査の科目・配点・出題傾向を、募集要項や過去問で調べる
  • 調査書(内申点)が合否にどう使われるかを確認する
  • 面接がある場合は、志望理由や高校で学びたいことを言葉にしておく
  • 特色検査や作文がある場合は、形式に合わせて練習する

学力検査がある場合は、過去問から出題傾向をつかみ、苦手な単元を優先して復習しましょう。面接がある場合は、学校説明会やパンフレットで知った特色を踏まえ、志望理由を自分の言葉で伝えられるよう準備しておきましょう。

「定員割れしているから」という理由だけで志望校を決めず、学校の特色や学べる内容も確かめることが大切です。

入学後の3年間を過ごす場所だからこそ、自分に合うかどうかを見極めましょう。不安がある場合は、中学校や塾の先生に相談し、対策を一緒に考えてもらうのも一つの方法です。

【大学受験】大学の定員割れとは?高校との違い

【大学受験】大学の定員割れとは?高校との違い

ここからは、大学受験における定員割れを解説します。大学では、基準にする人数が高校とは異なる場合があるため、意味を区別しておきましょう。

大学では入学者数が定員を下回る場合も指す

大学の定員割れには、大きく分けて2つの意味があります。1つは、高校と同じく志願者数が定員を下回る出願段階の定員割れです。もう1つは、入学者数が入学定員を下回る入学段階の定員割れを指します。

大学に関するニュースで取り上げられることが多いのは、後者の「入学定員未充足」です。この状況を表す指標が「入学定員充足率」で、次の式で求めます。

入学定員充足率(%)=入学者数÷入学定員×100

たとえば、入学定員100人の大学に90人が入学した場合、入学定員充足率は90%となります。日本私立学校振興・共済事業団の集計では、定員に1人でも届かなければ「未充足校」として数えています。

高校の出願段階と大学の入学段階の定員割れを比べると、次のとおりです。

比較項目 高校の出願段階 大学の入学段階
定員割れの意味 志願者数が募集定員より少ない 入学者数が入学定員より少ない
主な指標 出願倍率 入学定員充足率
具体例 定員100人・志願者80人 定員100人・入学者90人
計算結果 0.8倍 90%

※数字は説明用の架空の例です。

大学でも出願段階の意味で「定員割れ」が使われる場合があるため、記事やニュースが何を基準にしているかを確認しましょう。

参考:令和8(2026)年度 私立大学・短期大学等入学志願動向|日本私立学校振興・共済事業団

定員割れの大学は入りやすい?

大学の場合、入学定員に届かなかったことと、入試の倍率が低いことは必ずしも一致しません。入学者数は、合格した人のうち実際に入学を決めた人の数で決まるからです。

大学全体が定員割れしていても、合格しやすいかどうかは学部・学科や入試方式ごとの倍率で判断しましょう。

大学では、一般選抜・学校推薦型選抜・総合型選抜などの方式があり、それぞれ募集人数や評価方法、倍率が異なります。大学全体で定員に届いていなくても、人気のある学部では競争が起きていることもあります。反対に、志望する学部・方式の倍率が低ければ、合格の可能性は高いといえるでしょう。

志望大学を検討するときは、募集要項で入試方式別の倍率や出願条件、試験科目をチェックしておくと安心です。

定員割れについてよくある質問

定員割れについてよくある質問

ここでは、定員割れについて受験生が疑問に感じやすいことをQ&A形式で解説します。

定員割れでも落ちる確率はどのくらい?

定員割れでも落ちる確率は、自治体や学校、年度によって異なるため、全国一律には示せません。

参考になるのは、実際の入試結果です。神奈川県の2026年度入試では、定員に満たなかった全日制普通科20校で、受検後の取消者を除いて不合格者は出ていませんでした。多くの公立高校では、定員割れしていれば不合格になる可能性はかなり低いと考えてよいでしょう。

なお、文部科学省は毎年「高等学校入学者選抜の改善等に関する状況調査」で、全国の定員内不合格の状況をまとめています。志望校の地域の傾向を知りたい場合は、教育委員会が公表する入試結果で、募集定員・志願者数・受験者数・合格者数を確認してみましょう。

定員割れした高校は二次募集を行う?

定員割れした高校が、必ず二次募集を行うわけではありません。二次募集は一般的に、最初の選抜の結果、募集定員に欠員が出た場合などに行われます。

実施の条件や日程は、都道府県や学校によって異なります。たとえば神奈川県では、合格者数の発表とあわせて二次募集の概要が公表されています。

二次募集の有無は、教育委員会や学校の公式サイトで最新情報を確かめてください。

参考:令和8年度神奈川県公立高等学校入学者選抜一般募集共通選抜等の合格者数及び二次募集について|神奈川県

定員割れはなぜ起こる?

定員割れには、いくつかの要因が重なっていると考えられます。主な例としては、少子化などで進学する年代の人数が変わることが挙げられます。学校や学科ごとの人気の差や、志願者が特定の学校に集中することも要因の一つです。

さらに、地域や通学のしやすさ、募集定員の変更なども影響するでしょう。定員割れしているからといって、その学校の教育の質が低いとは言い切れません。

定員割れしている大学は大丈夫?

定員割れしているという理由だけで、その大学に問題があるとは判断できません。定員割れが長く続けば運営に影響する場合もありますが、入学者数だけで教育の質や将来性は決まらないからです。

日本私立学校振興・共済事業団の2026年度の報告書も、この点に触れています。定員を満たしていないことが、直ちに経営状況の悪化を示すわけではないと注意を促しているのです。

進学先を選ぶときは、次のような情報を確かめるのがおすすめです。

  • 学びたい学部・学科の教育内容やカリキュラム
  • 卒業後の進路や就職の実績
  • 大学の公式サイトで公開されている教育情報や財務情報

定員充足率という一つの数字ではなく、自分が何を学びたいかを軸に大学を選びましょう。

参考:令和8(2026)年度 私立大学・短期大学等入学志願動向|日本私立学校振興・共済事業団

まとめ 定員割れでも倍率と選抜方法を確認しよう

まとめ|定員割れでも倍率と選抜方法を確認しよう

定員割れとは、募集定員より志願者数が少ない状態などを指す言葉です。高校受験では、定員割れした学校は通常の入試より合格の可能性がずっと高く、受検者のほぼ全員が合格する地域もあります。

一方、大学では入学者数が定員に届かない状態を指すこともあり、高校とは意味が異なります。

定員割れは、志望校合格に近づく大きなチャンスです。まずは教育委員会や学校の公式サイトで最新の志願状況と選抜方法を確かめ、自信を持って本番に臨みましょう。

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