【2026年】絶滅危惧種 日本一覧21選 原因と取り組みまとめ
探究学習や自由研究で「絶滅危惧種」をテーマにしたいと思ったものの、どこから調べればいいか迷っていませんか。「絶滅危惧種ってどんな種類があるの?」「なぜ絶滅しそうなの?」と、疑問が浮かぶ人も多いはずです。
日本の絶滅危惧種は、環境省のレッドリストで整理されています。この記事では、その中から21種を選び、生息地・原因・対策を一覧表にまとめました。あわせて、国や自治体の取り組みと、残された課題も紹介します。
表を見比べれば、種ごとに原因も対策も違うことがわかります。最後には、調べたことをレポートにまとめる骨組みも用意しました。
編集部
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目次
日本の絶滅危惧種の数【2026年版】

日本の絶滅危惧種は、環境省がつくる「レッドリスト」で確認できます。ただし、レッドリストは全分類群を一度に見直すのではなく、評価が終わった分類群から順に公表。そのため、下の表には、2025〜2026年の新しい数字と、2020年の古い数字が混ざっています。レポートに使うときは、「どの年の版か」を必ず書き添えましょう。
分類群別の絶滅危惧種数
分類群別の絶滅危惧種数は次のとおりです。
| 分類群 | 絶滅危惧種数 | 版 |
|---|---|---|
| 哺乳類 | 34種 | 2020年版(第4次) |
| 鳥類 | 108種(掲載170種) | 2026年(第5次) |
| 爬虫類・両生類 | 96種(掲載138種) | 2026年(第5次) |
| 汽水・淡水魚類 | 169種 | 2020年版(第4次) |
| 昆虫類 | 367種 | 2020年版(第4次) |
| 陸・淡水産貝類 | 629種 | 2020年版(第4次) |
| 植物・菌類(5分類群の合計) | 2,063種(掲載2,952種) | 2025年(第5次) |
※第5次リストは、2025年3月に植物・菌類、2026年3月に鳥類・爬虫類・両生類が公表されました。哺乳類、魚類、昆虫類などは、令和8年度以降に評価が済んだものから順に公表される予定です。
カテゴリーの読み方
カテゴリーの意味は次のとおりです。
| カテゴリー | 意味 |
|---|---|
| 絶滅 | 日本ではすでに絶滅したと考えられる種 |
| 野生絶滅 | 飼育・栽培下、または自然に分布していた場所の外側で野生化した状態でのみ生き残っている種 |
| 絶滅危惧IA類 | ごく近い将来に野生での絶滅の危険性が極めて高い |
| 絶滅危惧IB類 | IA類ほどではないが、近い将来に野生での絶滅の危険性が高い |
| 絶滅危惧II類 | 絶滅の危険が増大している |
| 準絶滅危惧 | 今は絶滅危惧ではないが、状況によっては移行しうる |
「絶滅危惧種」は、このうちIA類・IB類・II類の合計を指します。
絶滅危惧種21選|生息地・原因・対策を一覧で紹介

日本には、環境省が絶滅危惧種と評価している種が数千種います。ここでは、環境省の保護増殖事業の対象種を中心に、21種を紹介。コウノトリは、事業の対象種ではなく、兵庫県などの取り組みが中心の種です。哺乳類、鳥類、両生類、昆虫類、魚類、植物と、分類群ができるだけ偏らないように選びました。探究では、気になった種を一つ選び、「なぜ減ったのか」「何が行われているのか」を調べてみましょう。
カテゴリーの版に注意: 種ごとに、カテゴリーが評価された版が違います。表では、カテゴリーのあとに、第4次(2020年版)か第5次(2025〜2026年に公表された版)かを付けています。
絶滅危惧種21種の生息地・原因・対策は次のとおりです。
| 名前 | 分類群 | カテゴリー(版) | 生息地 | 主な原因 | 主な対策 |
|---|---|---|---|---|---|
| ツシマヤマネコ | 哺乳類 | IA類(第4次) | 長崎県対馬 | 森林の変化でえさが減少、交通事故、イエネコからの病気 | 環境整備、交通事故対策、イエネコ対策 |
| イリオモテヤマネコ | 哺乳類 | IA類(第4次) | 沖縄県西表島 | 交通事故、生息地の消失、飼い猫からの伝染病 | 保護センターでの調査、飼い猫のマイクロチップ登録・検疫(町条例) |
| アマミノクロウサギ | 哺乳類 | IB類(第4次) | 鹿児島県の奄美大島・徳之島 | 古い森の減少、マングース・ネコ・イヌによる捕食、交通事故 | マングース防除(奄美大島では2024年に根絶を宣言)、大和村の条例で捕獲を禁止 |
| オガサワラオオコウモリ | 哺乳類 | IA類(第4次) | 小笠原諸島 | ねぐら周辺の開発、外来植物・ネズミとの競合、ネット絡まり、ノネコ | 保護増殖事業計画(2010年)、繁殖期や事故危険箇所の調査 |
| トキ | 鳥類 | IB類(第5次) | 新潟県佐渡島ほか | 乱獲、森林伐採、農薬、水田の消失 | 飼育下での増殖と放鳥。新潟県がえさ場のビオトープを造成。地域住民・NPOが、えさ場の復元、里山の保全、環境保全型農業、学校での環境教育に取り組む |
| コウノトリ | 鳥類 | IB類(第5次) | 兵庫県豊岡市ほか | 農薬、生息地の改変 | 飼育下での繁殖と放鳥、農薬を減らした農法 |
| ヤンバルクイナ | 鳥類 | IA類(第5次) | 沖縄島北部 | マングース・ノネコの捕食、交通事故、森林伐採・分断 | マングース防除、飼育下繁殖、飼い猫の条例(3村) |
| ノグチゲラ | 鳥類 | IB類(第5次) | 沖縄島北部 | 森林伐採・開発、近年は捕食 | 追跡調査、鳥獣保護区、東村の保護条例 |
| アホウドリ | 鳥類 | II類(第5次) | 伊豆諸島の鳥島ほか | 羽毛目的の大量捕獲、噴火の懸念 | 繁殖環境の改善、聟島へのヒナの移送 |
| ライチョウ | 鳥類 | IB類(第5次) | 本州中部の高山 | 捕食者の拡大、シカ等の食害、感染症、登山者、気候変動 | 保護増殖事業計画、動物園での生息域外保全、長野県の条例 |
| シマフクロウ | 鳥類 | IB類(第5次) | 北海道 | 森林伐採、ダム・河川改修、漁網・交通事故 | 給餌、巣箱の設置、放鳥 |
| イヌワシ | 鳥類 | IB類(第5次) | 北海道〜中国地方 | 手入れ不足で狩り場が減少、開発、風力発電 | 保護増殖事業計画、猛禽類保護センター |
| アベサンショウウオ | 両生類 | IB類(第5次) | 京都府・兵庫県・福井県・石川県 | 開発、耕作放棄・竹林の拡大、採集、アライグマなどの捕食 | 保護区、竹林の管理・防除、環境改善 |
| ヤンバルテナガコガネ | 昆虫類 | IB類(第4次) | 沖縄島北部 | 大径木のある森の減少、違法採集 | 密猟防止パトロール、大径木の調査 |
| ベッコウトンボ | 昆虫類 | IA類(第4次) | 静岡県・山口県・九州の池沼 | 埋立て・護岸、ごみ、外来生物 | 保護増殖事業計画、鹿児島県の藺牟田池を保護区に指定 |
| ミヤコタナゴ | 魚類 | IA類(第4次) | 栃木県・千葉県 | 河川改修、密猟、産卵用の二枚貝の減少、ブラックバス | 保護増殖事業、保護区、水族館での繁殖 |
| イタセンパラ | 魚類 | IA類(第4次) | 濃尾平野・富山平野北西部・淀川水系 | 河川改修、外来魚・外来の水草、密漁 | 生息域外保全、淀川への再導入、市民団体の駆除 |
| アユモドキ | 魚類 | IA類(第4次) | 京都府亀岡市の桂川水系・岡山県 | 護岸・水路整備、外来魚、違法捕獲 | 外来魚の駆除、パトロール、飼育下繁殖 |
| キタダケソウ | 植物 | II類(第5次) | 南アルプス北岳 | かつての盗掘、踏み込み | 保護区の指定、パトロール |
| ハナシノブ | 植物 | IA類(第5次) | 九州の山地草原 | 草原の管理放棄、盗掘 | 保護区、草刈り・巡視 |
| ムニンノボタン | 植物 | IA類(第5次) | 小笠原諸島の父島 | 発芽と成長で必要な環境が違う性質、干ばつ・風害 | 増殖・系統保存、ノヤギの侵入防止柵 |
※準絶滅危惧は絶滅危惧種ではありません。たとえば、タンチョウ(北海道東部の湿原)とレブンアツモリソウ(北海道礼文島)は、第5次リストでは準絶滅危惧です。探究では、両者を区別して書きましょう。
なぜ絶滅の危機にあるの?主な原因

環境省の資料では、日本の生物多様性が損なわれる主な要因として、次のものが挙げられています。
- 開発: 宅地や道路、河川の工事などで、生き物のすみかが減ったり分断されたりします。
- 乱獲・盗掘: 商業目的や観賞目的で捕まえられたり、掘り取られたりします。環境省の普及啓発資料では、開発に次ぐ減少要因とされています。
- 外来種: 外から持ち込まれた生き物に食べられたり、えさや場所を奪われたりします。
- 水質の汚染や農薬: 水辺の生き物のえさや生息環境に影響します。
- 地球温暖化: 寒い場所にすむ生き物などの生息環境を変えてしまいます。
- 里地里山の管理放棄: 田んぼや雑木林が人の手で手入れされなくなると、植生が変わり、そこにすむ生き物が減ります。背景には、農林業の縮小があります。環境省の資料では、維管束植物の絶滅危惧種の約3割が、管理放棄や植生の変化を要因の一つとしているとされています。
ポイントは、人間が手を加えすぎたことだけでなく、手を入れなくなったことも原因になる点です。21選の中では、ハナシノブやイヌワシなどが、この管理放棄の影響を挙げられています。
国の取り組み:種の保存法と保護増殖事業

種の保存法と国内希少野生動植物種
絶滅のおそれがある野生生物を守る法律が「種の保存法」です。とくに保護が必要な種は「国内希少野生動植物種」に指定され、捕獲や採取、販売などが原則として禁止されます。指定種は、2025年1月の閣議決定時点で458種。
保護増殖事業
とくに対策が必要な種は、国が「保護増殖事業計画」をつくります。計画に沿って、生息環境の整備や、飼育下での繁殖、野生へ戻す取り組みなどを進めています。環境省によると、2026年8月時点で、79種・亜種を対象に58の計画が策定済み。
生物多様性国家戦略と30by30
国は2023年3月に「生物多様性国家戦略2023-2030」を閣議決定しました。2030年までに自然の損失を止め、回復に向かわせる「ネイチャーポジティブ」を目指しています。
その一つが「30by30」です。2030年までに、陸と海の30%以上を保全しようという目標。国立公園などのほか、企業の森林など民間が守る場所も対象になります。
自治体・地域の取り組み事例

国が決めた制度だけでは、生き物は守れません。実際に田んぼを管理したり、道路で注意を呼びかけたりするのは、自治体や地域の人たち。21選の中から、トキ・コウノトリ・ツシマヤマネコの3つを、同じ視点で比べてみましょう。
都道府県版レッドリストとは
レッドリストは、環境省のものだけではありません。多くの都道府県が、その地域の事情に合わせた独自のレッドリストをつくっています。国全体では絶滅のおそれが小さくても、地元では少なくなっている種が載ることがあります。自分の住む地域を調べるときの、最初の入口です。
3つの事例の比較
トキ・コウノトリ・ツシマヤマネコの3つの事例の比較は次のとおりです。
| 項目 | トキ | コウノトリ | ツシマヤマネコ |
|---|---|---|---|
| 主な地域 | 新潟県佐渡市ほか | 兵庫県豊岡市ほか | 長崎県対馬市 |
| 減った理由 | 乱獲・農薬・森林伐採 | 農薬・生息地の改変 | 森林の変化・交通事故ほか |
| 主な取り組み | 環境省・新潟県・佐渡市、地域住民、NPOほか | 飼育下での繁殖と放鳥、農薬を減らした「コウノトリ育む農法」 | 生息環境の保全、交通事故対策、イエネコ対策、啓発 |
| 主な担い手 | 環境省・新潟県・佐渡市ほか | 兵庫県・豊岡市・国ほか | 環境省・長崎県・対馬市 |
| 経緯 | 2003年に野生生まれの最後の個体が死亡→2008年に佐渡で放鳥開始→2014年に目標の60羽の定着を達成→2026年5月に本州初の放鳥(石川県羽咋市) | 1971年に野生個体が絶滅→2005年に放鳥開始→2026年に第5次リストでIA類からIB類へ | 2006年に対馬野生動物交通事故対策連絡会議を設置→2026年1月15日に交通事故非常事態宣言 |
| 現状 | 野生下で473羽(2025年12月末時点。2024年末の576羽から減少) | 野外で550羽超(2025年) | 100頭弱と推定 |
| 残る課題 | えさ場になる水田の維持(認証米の作付面積は、2020年に約1,000ha。佐渡市の主食用水稲の約2割) | 血統が限られ、遺伝的多様性が乏しい | 交通事故 |
3つの事例からわかること
- どの事例も、国だけでなく自治体や地域の人が、現場で支えています。
- 取り組みの中心は、「増やす」(飼育・放鳥)と「すみやすくする」(田んぼや道路・森林の環境づくり)の二つです。
- 数が増えた後も、安心はできません。トキは、2024年末の576羽から2025年末には473羽へ減少。遺伝的な偏りや、えさ場の減少、交通事故など、新しい課題も出てきます。
残された課題

- 保護の対象が一部にとどまる: 絶滅危惧種は数千種にのぼりますが、国内希少野生動植物種に指定されているのは、2025年1月時点で458種。指定外の絶滅危惧種は、種の保存法による捕獲の規制や、保護増殖事業の対象にはなりません。2017年の法改正の際には、2030年までに700種の指定を求める附帯決議も出されています。
- 担い手・予算・人手: 保護増殖事業は、国だけでなく自治体や地域の人が支えています。事業が長く続くほど、人手や予算をどう確保するかが課題になります。
- 評価が済んでいない分類群: 第5次レッドリストは、まだ一部の分類群しか公表されていません。哺乳類や昆虫類などは、現時点では2020年版の数字が最新です。
- 事故や病気: ツシマヤマネコでは、交通事故やイエネコからの病気が脅威として挙げられています。地域の人が、車の運転や飼い猫の管理で協力することも、保護の力になります。
探究学習・自由研究への使い方

テーマの立て方の例
- 自分の住む都道府県の絶滅危惧種は何か(都道府県版レッドリストを調べる)
- 原因が違う種を比べる(開発・外来種・里山の管理放棄など)
- 保護の取り組みを比べる(トキ・コウノトリ・ツシマヤマネコ)
- 分類群で比べる(21選から、哺乳類・鳥類・魚類・植物を1種ずつ選ぶ)
出典の調べ方
- 環境省レッドリスト: 種数や版の根拠を調べる
- 都道府県のレッドリスト: 地元の種を調べる
- 環境省の保護増殖事業のページ: 国の取り組みを調べる
- 自治体のウェブサイト: 地域の取り組みを調べる
数字を使うときは、「いつの版か」「どこが出した数字か」を必ずメモしておきましょう。
出典元については記事下に記載
レポートの骨組み例
- 問い: 「自分の地域の〇〇はなぜ減っているのか」
- 調べた事実: 種数、カテゴリー、原因、国と自治体の取り組み
- 考察: 取り組みで足りていないこと、自分にできること
- 参考にした資料: 出典と版を書く
私たちにできること
- 野山や水辺で、生き物や植物を持ち帰らない
- 飼っている生き物を野外に放さない
- 地域の自然を守る活動や学習会に参加する
よくある質問

Q. 日本に絶滅危惧種は何種いますか?
A. 版や数え方で違います。環境省は、現時点の最新版の総計を3,587種としています。第5次と、それ以前の版を合わせた数字です。2020年版だけでは3,716種。第5次のみの全体数は、まだ出ていません。
Q. 絶滅危惧種と絶滅の違いは?
A. 絶滅危惧種は「絶滅のおそれがある種」です。絶滅は、日本ではすでに生き残っていないと考えられる種を指します。
Q. タンチョウは絶滅危惧種ですか?
A. 第5次レッドリストでは、準絶滅危惧です。絶滅危惧種(IA類・IB類・II類)にはあたりません。
Q. レッドリストはどこで見られますか?
A. 環境省のウェブサイトで、分類群別に公開されています。都道府県版は、各都道府県のウェブサイトで確認できます。※参照元URLは記事下に記載
気になる絶滅危惧種を調べて、日本の自然を知ろう
日本の絶滅危惧種は、環境省のレッドリストで分類群ごとに整理されています。
2025〜2026年に公表された第5次リストでは、鳥類108種、爬虫類・両生類96種、植物・菌類2,063種が絶滅危惧種と評価されました。
減った原因は、開発、乱獲・盗掘、外来種、農薬、温暖化に加えて、里山の管理放棄にもあります。ツシマヤマネコやトキ、ライチョウなど、21種を見比べると、種ごとに原因も対策も違うことがわかります。探究学習や自由研究では、まず気になる種を一つ選び、「なぜ減ったのか」「何が行われているのか」を、環境省や都道府県の資料で調べてみましょう。
自分たちの住んでいる日本にはどんな動物や植物が暮らしていて、どんな生物が危機的状況にあるのかが自分たちの暮らしを良くする一歩かもしれません。
参考資料
執筆者プロフィール
塾選ジャーナル編集部です。『塾選ジャーナル』は、日本最大級の塾検索サイト『塾選(ジュクセン)』が提供する、教育・受験に関する総合メディアです。保護者が知っておきたい受験や進路情報をお届けします。
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